2018年11月15日

フロベニウスの硬貨問題で、2種類なら ababab - a - b で済むのに、3種類以上になると閉じた式が消えてしまうのはなぜか。

2種類の場合、Z/aZ\mathbb{Z}/a\mathbb{Z} 上の巡回グラフで問題が閉じていて、ユークリッドの互除法で最短経路がすべて決まる。各剰余類の最小の代表元(アペリ集合)が一列に並ぶから、最大値を取れば ababab - a - b になる。3種類目の硬貨 cc が入ると、同じ巡回群に生成元が2つ載ったケイリーグラフになって、bbcc を混ぜて使う経路が出てくる。Curtis (1990) の g(p,p+1,p+k)g(p, p+1, p+k)kk の偶奇で式が割れるが、経路の組合せが剰余類に応じて変わるからである。

有理多面体の格子点数がエルハート準多項式で書けるのと同じで、フロベニウス数も本来は、単一の多項式ではなく剰余類で分岐する擬多項式なのではないだろうか。ababab - a - b は分岐が1通りしかない退化したケースにすぎず、3種類以上では閉じた式がないのは問題が難しくなったのではなく、閉じた式という考え方の解像度が低いから、というように見える